新型プリウスを1年乗ってみた正直な感想「最高の相棒」だけどデメリットには注意してほしい!

新型プリウスに乗り始めて、気がつけば1年が経過しました。走り、デザイン、燃費、内装の質感……総合的に見れば、文句なしに「素晴らしい相棒」だと胸を張って言えるクルマです。でも、だからこそあらかじめ知っておきたい「気になる点」ってありますよね。今回は、これから購入を検討している方や、新たな愛車として考えている方に向けて、「ここはちょっと気をつけた方がいいかも」という部分を正直にお伝えします。

「弱点」なんて言うとネガティブな印象を持たれがちですが、これは決して「ダメなクルマ」という話ではありません。むしろ知っていると、「そうか、こうやって対策すればいいんだな」と前向きに付き合えるポイントです。では、ざっくばらんにいってみましょう。

最大の敵は「灼熱の夏」 ボディデザインが招く夏場の地獄

まず声を大にして言いたいのが、夏場の暑さ対策。近年、真夏の炎天下は尋常じゃない暑さですよね。プリウスは流れるようなルーフラインとフロント・リアガラスの傾斜が大きく、室内に直射日光が入り込みやすい構造になっています。さらに私の愛車にはムーンルーフがついているため、天井からもガンガン日差しが攻め込んでくる。青空駐車なんてしようものなら、もう車内はミニサウナ状態。

実際、ハンドルを握ろうとすれば「アチッ!」と飛び上がりそうになりますし、シートは下手したらお肉でも焼けちゃいそうな温度になることもあるほど。シートベルトの金具なんかも握れないくらい熱く、後部座席に乗る家族や子どもからは「ここ、すごく暑い…」という声が出がちです。もう、乗り込むだけで一苦労。

対策としては、断熱フィルムやIR(赤外線)カットガラスの装着が必須級かもしれません。これで多少でも日差しを和らげておけば、エアコンの負担も減り、乗員の不快感も軽減できます。また、ムーンルーフを付けなければいくらかマシになるはずです。例えばガレージ保管を徹底したり、サンシェードを駆使することも重要ですね。Zグレードにはシートベンチレーションが付いているので、フロントシートに座る人はだいぶ救われますが、後席に子どもを乗せる機会が多い方は特に注意。実際、車内に温度計を置いてみると、しばらく40度超えなんてザラ。夏の対策は、プリウスライフを快適にするための「最初の関門」と言えるでしょう。

膝が微妙に当たる問題

次に気になるのが、運転席側で膝が当たる微妙な内装形状。フロントシートでゆったり足を伸ばそうとすると、コンソール側の出っ張りに膝が当たることがあるんです。もちろん、運転スタイルや体格によるので、全員が感じるわけではありません。でも私の場合、長時間運転していると、無意識に脚をちょっと外側に開きたくなるときがあって、そのときに「ゴリッ」と当たる感じがちょっと気になる。
対策としては小さめのクッションを挟んだり、シートポジションを微調整することである程度緩和できます。「小さな違和感」ですが、長距離ドライブが多い人には一応頭に入れておいてほしい点ですね。

ムーンルーフモデル特有? 柱付近からの「カラカラ音」

ムーンルーフ付き車ならではかもしれませんが、ガラスとガラスの間の支柱あたりから時々「カラカラ…」と金属音が響くことがありました。走行中に微振動でシェードロール内部の部品が当たっているような感じです。手で押さえると止まるので、原因はおそらく内部構造。
これが常時ではなく、特定条件で鳴る程度ですが、神経質な方は一度ディーラーでチェックしてもらうと良いかもしれません。静粛性の高さが売りのハイブリッドカーだからこそ、こういった細かな異音は目立ちやすいですからね。

「強制充電モード」のエンジン音が意外と気になる

プリウスと言えば、基本的には静かでスムーズな走行が魅力。でも、バッテリー残量が減って「強制充電モード」に入ると、エンジンが積極的に回って意外と騒がしくなります。低速で流しているのに、エンジンが「ブーンッ」とうなり声を上げて充電優先動作をするため、初見だと「え、何これ?」となるかも。

実はこれ、EV走行にこだわってアクセルを慎重に踏みすぎたりすると、逆にバッテリーを使い果たしてしまい、結果的に充電モードが入りやすくなる現象。慣れるまでは「エコ運転しよう」と頑張りすぎると空回りすることもあります。
つまり、適度にエンジンを動かしつつ、バッテリー残量を維持する運転スタイルが大事。プリウスは頭がいいクルマですが、乗り手にも多少の学習が求められるんですね。

メーターの視認性問題は「慣れ」でカバー

よくネット上で言われる「メーターが見づらい」という指摘。正直、1年以上乗っている私の感想としては「そんなに気にならない」です。ハンドルの取り付け角度がほぼ水平に近いこともあって、シートポジションやハンドル位置を微調整すれば、計器類は充分クリアに読めます。
むしろ慣れてくると「この配置、悪くないな」と思えるほど。最初は戸惑うかもしれませんが、シートやハンドルをいろいろ試せば、ベストポジションがきっと見つかります。

車高の低さや視界の問題は、スポーティーデザインの代償

「車高が低くて乗り降りしづらい」「Aピラーが太くて視界が悪い」といった意見も確かに存在します。でも、これはスポーティーなデザインを選ぶ時点である程度割り切る必要がある部分。車高が低いからこそスタイリッシュなシルエットが手に入るわけで、そこを「もっと楽に乗り降りしたい!」と思うなら、別のコンセプトの車を選ぶべきかもしれません。

とはいえ、決定的に見にくいとか、運転が危険なレベルでは全くありません。三角窓の配置やピラー形状にも工夫があり、慣れれば十分こなせます。実際、普段使いで困ったことはほとんどありません。

エネルギーモニターの地味さなんて気にしない

最後にちょっとした小ネタですが、エネルギーモニターがシンプルすぎるという声もあります。確かに画面はあっさりしていますが、実のところ走行中は地図やオーディオ画面を見ることがほとんどで、わざわざエネルギーモニターを凝視する機会って少ないんですよね。「派手さがない」と言われても、実用面では大して問題になりません。飾り気よりも使いやすさ重視、という割り切りと考えれば、むしろ潔いものです。

結論:それでもプリウスは「素晴らしい相棒」

こうして「気になる点」を列挙してみましたが、実はこれ以外に大きく不満を感じる部分はほとんどありません。総合的な完成度は非常に高く、燃費性能、静粛性、デザイン、走行フィール、どれをとってもバランスが素晴らしい。
暑さ対策をしっかり講じて、膝周りや異音への対処法を把握し、強制充電モードの振る舞いを理解してしまえば、新型プリウスは「これ以上ないほど頼れる相棒」になってくれます。買う前にこういった点を知っていれば、いざ乗り始めたときに「え、なんで?」と戸惑うことも減るでしょう。

これから新型プリウスを検討している方は、ぜひご自分の使用環境やライフスタイルに照らし合わせて、こうした注意点を頭に入れてみてください。対策や心構えを持っていれば、その分だけ愛車との付き合いが快適で充実したものになるはず。
新型プリウスは、ちょっとした特性を理解すれば、きっとあなたにとって最高のパートナーになるでしょう。