今回は、実際にオーナーとして愛車を使い倒してみて感じた「良い点」と「ちょっと惜しい点」を、本音で語っていこうと思います。購入を検討されている方にとって、少しでも参考になれば幸いです。
抜群の安定感と走行性能
まず強調したいのは、想像以上にしっかりとした走り心地です。サイズ的にはコンパクトミニバンの部類ですが、高速道路での安定感がかなり優秀。旧型シエンタよりも剛性がアップした新型では、カーブや横風を受けた際の“ふわつき”がほとんど感じられません。
さらにハイブリッド仕様(Zグレード・2WD)なら、軽快な加速とスムーズな走行感覚が楽しめます。街乗りはもちろん、長距離ドライブもラクラクで、「小柄なミニバン」という言葉から受けるイメージを大きく裏切ってくれるはずです。
コストパフォーマンスと燃費性能が魅力的
シエンタは価格帯と装備内容のバランスが秀逸です。燃費性能はトップクラスで、実際に高速道路をクルーズコントロールで走っていると、リッター20~30km/Lを叩き出すこともしばしば。ガソリン価格が高めな昨今、給油回数が減らせる点は家計にも優しいポイントでしょう。満タンで700km近く走れることもあり、「給油が面倒」なんてストレスからも解放されます。
かわいらしいデザインと上質な内装
エクステリアは丸みを帯びたかわいいシルエットで、従来モデル以上に幅広い層に好感を与えるデザインに仕上がっています。街中で他のシエンタと“かぶる”ことは多いですが、その人気ぶりこそが、デザインが受け入れられている証拠とも言えます。
内装に関しても、ファブリック素材を用いたパネルや選べる内装色など、温かみのある空間づくりが印象的。10.5インチの大型ディスプレイオーディオを装着すれば、ナビ画面は見やすく、質感もワンランク上の印象です。さらに、先進的な運転支援機能や接続サービスも充実しており、最新トヨタ車の魅力を手ごろな価格で享受できます。
運転支援システムはトップクラスの快適さ
レーダークルーズコントロールや車線維持支援などの先進安全装備は、特筆する価値があります。加減速が自然で、自分でハンドルを握っているかのようなスムーズさ。高速走行中はアクセルやブレーキ操作の負担が激減し、疲れにくいドライブが可能です。
さらに「プロアクティブドライビングアシスト」など、一般道でも車が先読みして減速や回避をサポートする機能が搭載され、安全・安心な走行環境が整っています。初心者ドライバーやご年配の方、小さなお子さんを乗せるファミリーにもおすすめできる頼もしい一台です。
惜しい点:ブレーキホールドや電動パーキングブレーキの非搭載
一方、完璧とはいきません。最近では多くの車に採用されている「電動パーキングブレーキ」や「ブレーキホールド機能」がシエンタには未搭載で、発進・停止時にやや不便な場面があります。信号待ちでいちいちブレーキを踏み続ける必要がある点は、人によっては気になるでしょう。
後席環境と快適性の課題
また、後席に専用のエアコン吹き出し口がないため、夏場は熱がこもりがち。オプションのサーキュレーターで対策できますが、もう少し標準で快適性を確保してほしかったところ。加えて、後席テーブルなどのちょっとした装備が標準で用意されていない点も、ファミリー層には惜しまれるかもしれません。
まとめ
新型シエンタは、価格面・実用性・先進装備が理想的なバランスで融合した、非常に完成度の高いミニバンです。多少の惜しい点はあれど、その使い勝手や燃費、運転支援機能の質を考えると、「初めてのマイカー」「ファミリーカーの買い替え」「サブカーとしてのセカンドカー」など、あらゆるシーンで満足度の高い選択肢になるはず。
これから購入を考えている方には、ぜひ実際に試乗して、その心地よい走りと居心地を確かめてみてください。きっとあなたのカーライフを豊かにしてくれる一台になるはずです。