カローラスポーツ! ハッチバックの魅力と微妙ポイントを徹底チェック

今回はトヨタのスポーツハッチバック、「カローラスポーツ」の魅力と、ちょっと惜しいなと思う点を洗いざらい紹介していきます。近年、「GRヤリス」のようなコンパクトスポーツが注目されてますが、カローラシリーズにも「GRカローラ」が存在するなど、今まさにトレンド真っ只中。そんなカローラスポーツ、果たしてどんなクルマなのか、じっくり見ていきましょう!

どんなモデル?価格は?

今回チェックするのは最上級グレードの「GZ」グレード。2.0Lガソリンエンジンで前輪駆動タイプのお車です。
気になる価格は約272万8,000円ほど。正直、ヤリスやアクアなどの一般的なコンパクトカーよりは少しお高めの印象。とはいえ、このグレードが一番人気だそうで、購入者の約8割がこのGZをチョイスしているとのこと。ガソリンとハイブリッド比率では7割がハイブリッド、3割がガソリンとのことです。

フロントがカッコいい

正面から見ると、「カローラ」シリーズの中でもトップクラスにカッコいいフロントフェイス。トヨタマークではなく「C」をモチーフにしたエンブレムが新鮮です。グリルもスポーティーなあみあみデザインで、まるでスポーツカーのよう。
後期モデルではヘッドライトが一本線のシャープなデザインに変わり、ウインカー部が大きく目立ちます。ただ、ライト全体が光るわけではない部分もあり、そこは「海外仕様みたいにもうちょっと頑張ってほしかったな」という欲が出るかもしれません。

サイドビュー

サイドでは、2トーンカラー(ルーフが黒)を選ぶとオプション料金がかかりますが、全9色から選べるので好みでどうぞ。
ホイールは18インチで、見た目は抜群にスポーティー。ただし、タイヤの薄さゆえに段差でホイールを傷つけるリスクがあるのは注意点ですね。また、左右でホイールスポークの角度が逆転して見えるので、人によっては「あれ?」と思うかも。
ボディサイズはヤリスやアクアより全長が長く、シエンタ(3列シート車)よりも長いという意外性も。コンパクトと言いつつ、実は結構大柄な印象です。

リアビューは丸みを帯びた独特のフォルム

後ろ姿は丸みを帯びた独特なデザインで、製造が難しそうな複雑な曲線が特徴的。
テールランプの形状はフロント同様、やや使いまわしっぽい印象もあるものの、可愛らしくまとまっています。ただし、バックドアの開閉スイッチ位置がわかりにくく、エンブレム部分から開けられないのはちょっと残念。エアロっぽいデザインや下部の銀色パーツでスポーティーさを演出しているものの、実際のマフラーは1本出し。GRカローラは3本出し、となるともうちょっと欲が出てしまいますね。

前席インテリアは小さな高級車感

ドア内張りは柔らかな素材を用い、ステッチも本物。質感はかなり高めです。オプションの16万円もするスポーティーシートはアルカンターラ風素材で、座り心地は抜群。惜しむらくはパワーシートでない点。中途半端にランバーサポート(腰サポート)スイッチはついているのに、フル電動じゃないのは「もうひと押し欲しかった!」という気分になります。
ナビは標準8インチですが、オプションで10.5インチへの拡大も可能。質感はダッシュボードやパネル周り含めて柔らかく「小さな高級車」というコンセプトに近づいています。
フル液晶メーター(12.3インチ)やパドルシフトも標準。走りを楽しみたい人には嬉しいポイント。ただし、パノラミックビューモニターがオプションでも付けられないのは今どき少し残念。ETC2.0が標準なのはありがたいサプライズです。

後席の座り心地は良好だが、リクライニングなし

後席は前席ほどの高級感はないものの、柔らかいシート素材がしっかり引き継がれています。膝前スペースは拳ひとつぶん程度で、広くはないが窮屈でもないレベル。ただし背もたれのリクライニング機能がないため、長距離だと少し疲れるかもしれません。エアコン吹き出し口はなくても、USB-Cポートを2つ後席にも備えている点は高評価。小さな高級車として、後席乗員のガジェット充電にも対応しているのは嬉しいですね。

荷室の実用性は十分

ラゲッジスペースはコンパクトカーとしては標準的。デッキボードを調整したりシートを倒したりすれば、大きな荷物やゴルフバッグもゆとりを持って積めます。ただし、身長170cmの大人が寝転がるにはちょっと厳しめ。車中泊には工夫が必要でしょう。

あと一歩で「ちょっとした高級車」

カローラスポーツは見た目や走りを意識したクルマで、その質感は価格なりに高め。「ちょったした高級車」を標榜するにはパワーシートやパノラミックビューなど、もう一声欲しい装備があるのも事実。せっかくスポーティーかつ上質な方向性なので、あと100万円高くなってでもフル装備な「プレミアム版」があっても面白いかもしれません。
とはいえ、この価格帯でこの質感や走りを求める方には十分魅力的な選択肢。カローラスポーツが気になった方は、ぜひ公式情報や試乗などで実物を確かめてみてください。