「カローラスポーツ」と「カローラツーリング」。両方ともカローラブランドに属するモデルですが、ひと口に「カローラ」と言っても、ここまで個性が違うものかと驚くかもしれません。もし、「次の愛車はカローラ系にしようかな」と考えているなら、どちらがより自分の生活や好みにフィットするのか、じっくり比較してみてはいかがでしょう。ここではスポーツ派かツーリング派かで迷える方のために、デザインや室内空間、走行性能、実用性など、あれこれ突っ込んだ話をしてみますね。ちょっと長くなりますが、その分、ゆる~く丁寧にいきましょう。
デザインは個性がくっきり
まずは「見た目から入る」というのもアリ。カローラスポーツはその名の通り、スポーツハッチバックらしい鋭い顔つきが魅力です。メッシュ状のフロントグリルが目を引き、そこに18インチホイールが加わると、「あ、こっちは走りを楽しむタイプね」と一発で分かる雰囲気。「仕事終わりにちょいとワインディングロードを流してストレス解消しちゃおうかな」という方にはぐっとくるかもしれません。カラーラインナップも華やかな傾向があり、街中でもちょっと目立ちたい人にはうれしいポイントです。
一方、カローラツーリングはステーションワゴンらしい伸びやかなフォルムが特徴的。フロントマスクは直線基調で落ち着きを感じさせ、「余裕ある大人の趣味車」っぽさが漂います。実際、90年代に盛り上がったステーションワゴンカルチャーを思い出して、「なんか懐かしいけど、今の時代にも合ってるよね」と感じる人もいるはず。カラーバリエーションはシックな色味が多く、ファッションで言うとベーシックなカラーを着こなす上質な大人、という感じでしょうか。
室内空間と使い勝手
「ステーションワゴン=めちゃくちゃ後席広いんでしょ?」と考える人は、カローラツーリングを試乗した瞬間、少し意外に思うかも。後部座席のスペースは確かに狭いわけではありませんが、「想像以上にゆとり満点!」というほどでもないんです。もちろん大人4人でのドライブは可能ですし、不快になるほどタイトではないものの、背が高い方や長時間ドライブで後ろに乗る人がいる場合、もうちょっとゆったり感が欲しいかな、という気持ちは出るかもしれません。ただし質感の良さはかなりのもの。シートやドアトリムなど、触れる箇所の手触りが良く、高級感もほんのり感じられます。全体的に、後席のスペースよりも「質」を選んだ印象です。
カローラスポーツも後席は似たレベルで、ワゴンより特別窮屈というわけではありません。ただし、こちらはあくまで「ハッチバックとしてはどうか」という視点が必要。広さで勝負するタイプじゃないので、過剰な期待は禁物です。その代わり、運転席周りのフィット感はなかなか秀逸。スポーティーなシート形状が身体をしっかり支え、「長距離運転もこれならイケるじゃん」と思わせる自然なホールド感があります。ステアリング周りの操作性も良く、「よし、運転するぞ!」とドライバーの気持ちを鼓舞してくれるはずです。
ラゲージスペース
ここはツーリングの得意分野。「荷物なら任せとけ!」という頼もしさがあり、レバー一発で後席シートを倒せる仕組みや、汚れ物対策に裏返しで使える樹脂ボードなど、細かい気配りが満載です。休日にキャンプ道具や釣り具、サーフボードといった趣味の装備を積んで、気軽に自然へ飛び出したい人にはぴったり。「家族サービスしながら自分の趣味もちゃんと楽しむ!」といったライフスタイルにハマりやすいと思います。
スポーツは、そもそもコンパクトなハッチバックですから、どうしても荷室はツーリングほど広々ではありません。でも、後席を倒せばそれなりに積めるので、「月に一度の小旅行程度なら全然問題ない」という印象。「普段は街乗りメインで、たまに荷物が増えるくらい」ならむしろこれくらいが手頃かもしれません。日常的な買い物やちょっとした荷物運搬には十分な容量ですし、そこまで荷物命でないなら気にならないポイントでしょう。
走りのキャラクター
「走りを楽しみたい派」なら、カローラスポーツの2.0Lガソリンモデルを試す価値大。アクセルを踏み込んだときのレスポンスや軽快なハンドリングが、「おっ、なかなかイケるね」と気分を上げてくれます。運転そのものを趣味としている人にとって、この差は大きい。「やっぱり車は走らせてナンボでしょ!」という方にはスポーツがフィットする可能性が高いです。
対してツーリングは、ハイブリッドモデルをはじめ燃費と使いやすさを優先したバランス型。4WDも選べるので、雪国や悪天候でも頼れる存在になります。「家族を乗せてのロングドライブから普段の買い物まで、全部これ一台でこなしてほしい」という頼もしさがあります。燃費も良いので家計にも優しく、遠出する機会が多い人にはありがたい存在ですよね。
価格、装備、カラー
両車とも、グレードやオプションを選べば装備はかなり充実。ステアリングヒーターやETC標準装備など、意外なお得感もあります。カラーについては、スポーツが鮮やかな色味を取り揃え、ツーリングは落ち着いた大人カラーが豊富。「ちょっと遊び心を出したい」人はスポーツでビビッドな色を選んでみてもいいし、「シンプルで飽きのこない色が欲しいな」という方はツーリングでシックなトーンを楽しむのもアリです。
もちろん、実際に両方を試乗してみることがベスト。見た目に惹かれていても、座ってみると「あれ、思ったよりしっくりこないな」と感じることもありますし、逆に「意外とこの色、実物だとめちゃくちゃいいじゃん!」なんてことも多々あります。人それぞれ、優先するポイントが違うもの。デザイン重視か、走り重視か、それとも荷物重視か。迷う過程も楽しみながら、自分と相性のいい一台を探してみてください。
あなたはどちら派?
・「家族でアウトドア、趣味の道具もしっかり詰めたい。実用性と信頼感で長く付き合いたい」ならカローラツーリングを。
・「運転が好きで、操る楽しさを味わいたい。積載はそこそこでもいいから、走りの質感を重視したい」ならカローラスポーツを。
最終的には、あなたの生活スタイルや性格、そして求めるカーライフのかたち次第です。どちらのカローラも、“時代に合ったバランス”を持っています。試乗してみて、ピンと来た方を選んでみてはいかがでしょうか。選んだその瞬間から、あなたとカローラとの新しい日々が始まりますよ。