トヨタのコンパクトSUV「ヤリスクロス」が、注目を集めています。近年では、軽自動車やコンパクトカーであっても200万円台が当たり前となり、クルマの価格高騰を嘆く声も多い中、このヤリスクロスには190万円台から選べるグレードが存在します。しかも、そのベーシックモデルでも十分な装備を備えており、まさに「狙い目」の一台といえるでしょう。これからヤリスクロスを購入しようと考えている人はもちろん、現行オーナーや興味を持つ方々にも、改めてその魅力をお伝えします。
手ごろな価格帯でも手を抜かない「X」グレード
ヤリスクロスは2020年にトヨタのコンパクトカー「ヤリス」をベースとしたSUVとして誕生しました。全長4185-4200mm×全幅1765mm×全高1590mmという扱いやすいサイズ感と、都市部の細い道路や駐車スペースでも取り回しやすいボディが特長です。パワートレインは1.5Lガソリンと1.5Lハイブリッドから選べ、FF（前輪駆動）だけでなく4WD（またはハイブリッドのE-FOUR）も用意。多彩なグレード展開により、幅広いニーズに応えています。
なかでも注目したいのが、最もリーズナブルな「X」グレード。ガソリンFFモデルであれば190万7000円（税込）から手に入る、今どき珍しい“100万円台”のコンパクトSUVです。価格が抑えられているからといって、基本性能や安全装備が削られているわけではありません。トヨタセーフティセンスによる衝突被害軽減ブレーキや全車速追従機能付きレーダークルーズコントロールなど、先進の安全装備はしっかり標準装備されています。
外観上は上位グレードに比べ、ヘッドライトがハロゲンであったり、ホイールがスチールであったりといった差異はありますが、ぱっと見で「安っぽい」と感じるほどの違いはありません。インテリアでは「X」がオーディオレスとなりますが、予算や好みに合わせて純正・社外ディスプレイオーディオを後付けすることも容易。最初からすべて完備されていなくても、自分好みにカスタマイズできる楽しさが味わえる点もXグレードの魅力といえます。
改良を重ね、快進撃を続けるヤリスクロス
ヤリスクロスは販売開始以来、多くのユーザーから支持を集め、2024年1月には一部改良が予定されています。エクステリアの力強さが増し、7インチTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイの標準化（「X」・「U」を除く）や内外装の質感向上、最新のディスプレイオーディオ装備（「X」を除く）など、着実にブラッシュアップを重ねています。また、先進運転支援機能も最新版になり、安全性と利便性がさらに磨かれた点は、これから購入を検討する方には見逃せません。
将来はさらに選択肢拡大へ
ヤリスクロスはグローバル戦略車として、2026年にはフルモデルチェンジが見込まれています。トヨタが掲げる「マルチパスウェイ戦略」により、ガソリン車やハイブリッド車だけでなく、将来的にはバッテリーEVモデルが加わる可能性も。ヨーロッパなど排出ガス規制の厳しい地域にも対応すべく、1.5L直4ガソリンエンジンを核にした新世代ハイブリッドシステムが用意される見通しです。現行モデルですでに完成度の高いヤリスクロスが、次世代ではより環境性能・走行性能を追求した一台へと進化することが期待できます。
コンパクトSUVを求めるなら、ヤリスクロスは有力候補
一般的なコンパクトカーよりも積載性に優れ、SUVらしい存在感を持ちながらも、街中での扱いやすさはそのままに。ベーシックグレードでも安全装備を怠らず、ユーザーのカスタマイズで自分好みに仕上げられる、ヤリスクロスはまさに「ちょうどいい」一台といえます。
これから購入を検討する方はもちろん、すでにヤリスクロスに乗っているオーナーも、将来的なモデルチェンジによりさらに広がる選択肢に胸が躍ることでしょう。コンパクトSUV市場が活況を迎える中で、ヤリスクロスはリーズナブルな価格と先進技術を備えた「コスパ最強」の選択肢として、これからも注目され続けていくに違いありません。